南西諸島と道東地方はある意味で対極的な日本であると、一年ぶりのサーフを訪れて感じた。海の色は違うし、日差しは全く異なる。釣れる魚も異なるし、食文化しかり。北海道生まれの僕は、どちらが好きと言われれば道東地方と断言出来るけど、先週まで旅した八重山も魅力ある土地であると思う。そんな旅の余韻を残しているタイミングで、道東サーフを訪れてみた。
事前の波予報は1mと低い予報であったけど、潮位が高く、波もうねり系のものが重なり、早朝から暫くはサーフの大部分が波で洗われてた。日本海と波の性質が違う為、常に構えていないと引き波で引きづり込まれそうになってしまうのだ。そんなサーフをシンキングミノーを中心に色々試してみたけど、根本的に群が寄っていない様だ。ポイントを変えたけど、状況は変わらない。ウミアメとは言えないような30cmレベルの魚は何本か掛かったけど、流石にこれはカウント出来る話ではない。
ようやくウミアメらしい魚が釣れたのは、昼を回った午後1時過ぎの事だ。本来、僕のウミアメ釣りは明け方からせいぜい9時くらいまで竿を振り、日中は昼寝をし、午後から夕方に軽く竿を振るという釣りである。キャストしているのは1オンス程度のルアーだけど、基本的に常にショートジャークを入れているのでそれなりに疲れる釣りである。ところが今回は魚が釣れないという事実に、腕の疲れを感じながらもキャストを繰り返す事となった。
疲れだけなら構わないのだけど、握力が低下し、腕は筋肉痛、肩から背中には痛みと張りを感じるというのは正直辛かった。恐らく、これまでの釣りで一番体を酷使した遠征だったのではないだろうか。最終的に釣り場を後にした時で実釣時間は11時間。もっとライトなタックルの釣りであれば、これまでも朝から晩まで釣った事もあったけど、釣っている中で筋肉痛になるなどこれまでの釣りでは経験がない。それだけ釣れなかったという事なんだけど、釣友に言われるように”道東だけは根性入ってる”なのだろうね。
サクラマスは今時期が道東の海岸で旬な釣りである。南十勝から根室へ至る海岸線沿いで、近年では釣り人も狙ってサクラマスを釣っている。この為、有望な海岸線から釣り人の姿が絶えることはない。ただ、ウミアメも混生しているフィールドでサクラマスだけを狙って釣る事は難しいし、逆も然り。但し、6月下旬から7月上旬はかなりの確率でサクラマスが混じるとは思っている。日本海側のサクラマスは、GWを過ぎた辺りで河川に遡上する個体が多いけど、冷涼な道東は遡上するタイミングが異なる。この為、夏の今時期でも海で狙う事が出来るわけだけど、概して日本海側に比べると一回りサイズは小さいようだ。60cmを超える個体もいるけど、大抵は50台で小さな物だと40cmクラスまでいる。
BLOGエントリーにも記したけど、僕はこの時期に関しては釣って面白いのはアメマスだと感じている。サクラマスはグラマラスな魚体故ランディング時の重さは感じるけど、引きについてはアメマスの方がトルクフルだし、走り回ると思う。ラインを引き出すのはアメマスの方だしね。それだけ道東のアメマスは、コンディションが良いという事なんだろうな。ただ、絶対的なファイルは、夏はフレッシュなカラフトマスの雄だろうね。数十秒ラインを引き出して疾走するなんて事は、サクラマスもアメマスも出来ない芸当だ。但し、沖を遊泳するフレッシュに限るけどね。