冷涼な道東河川において、落差の少ない根釧原野を流れる川を除き、オショロコマが生息する水系である事が多い。十勝川水系も最上流部はオショロコマの魚影が濃いし、知床は半島殆どの河川にオショロコマが生息している。然別湖も十勝川水系であり、この湖水に棲むオショロコマは特別にミヤベイワナと呼ばれている。ヒメマスと同じでプランクトンを主な餌としている為、その身は赤く、美味であるらしい。もっとも、然別湖のオショロコマを現在食べる事は出来ない。現地に宿を求めれば、オショロコマ料理が振る舞われるけど、それは養殖物である。
天候に恵まれた解禁3日目の土曜日、三年ぶりに然別湖を訪れてみた。釣り人の多くは、ニジマスやサクラマスを狙っているようで岸際を主な狙い場としている。岸のかけ上がりを回遊すると言われているので、定番の狙い場所ではあるのだけど、僕の狙いはオショロコマだけだ。このため、岸際に固執することはなく、広い湖を自由に使うことが出来る。もっとも、岸を外すとライズがあるわけではないオショロコマは何処に群れが居るかを探すのは結構大変だ。自ず と、移動時にトローリングをするのが効果的ではある。ただ、アタリはあるけどアワセをする事が事実上出来ない手こぎボートのそれは、魚探としての意味合い が強いかもしれない。