小手調べ的な小渓流を訪れたが、深みには遡上したアメマスがルアーを追う。但し、かなり渋い状況であり、Uターンされる場合が殆どである。先週は水量が多く、若干の濁りが入っていたようで、そのときは活性が高かったと聞いた。やはり、渓流域とはいえ、タイミングという言葉を考えさせられた。
10月下旬ともなると、それまでのナラタケ(ボリボリ)やハナイグチ(ラクヨウ)といったキノコのシーズンが終わり、代わりにエノキタケやナメコ、そしてムキタケが多くなってくる。この中でも僕はエノキタケが好きで、特に汁物に入れた味はまさに秋の味覚である。栽培物は細く白いキノコであるけど、写真のエノキダケは正真正銘の天然物。仲間曰く、天然物と栽培物で味と形が一番違うキノコだそうだ。もっとも、旨味については栽培物も悪くはないとは思う。でも、天然物の食感と味の濃さは、やはり栽培のそれとは別物なのだ。
小手調べの渓流を下り、鮭も遡上する流れを訪れてみた。流れそのものは、道東を流れる茶路川や音別川と似ており、河原が広く、落差が少ない。また、ポイントとポイントの間隔が長い事も特徴だろう。こうした河川では小砂利のある流れでは、鮭が群れており、恐らくアメマスは産卵してこぼれた卵を偏食しているようだ。その証拠に鮭の姿が見えない流域では、アメマスの魚影も薄いものだ。
こうした鮭の群れる平野流では、正直ルアーの反応は良くはない。エッグを使ったルースニングが圧倒的に有利であり、実際同行した仲間は、良型を連発させていた。それでもルアーで全く反応しないわけではなく、バンクをダウンクロスでキャストし、ゆっくりとしたトゥイッチを入れると、反射的に食ってくる事もある。もっとも、やはりルアーはポイントでは一投勝負であり、厳しい事には変わりはなかった。