旬であるナラタケ(ボリボリ)を狙いにShinya氏と道南の山林を歩いてみた。ここ数年、集合してから訪れる場所は殆ど決まっているのだが、キノコが採れるかどうかはタイミング次第である。季節の移り変わりを正確に判断するのは難しく、ましてやキノコの成長は人間が考えているよりも速い様で、食べ頃のそれを見つけるのは運も必要である。勿論、様々な山を知っている人であれば、採取量の多いキノコとして知られるナラタケ(ボリボリ)を採るのは造作ない事かもしれないけれど、基本土日しか行動出来ない勤め人にとって運はかなり重要であるのだ。
今年は一番最初に訪れた場所で、ナラタケの群生を見つけた。丁度食べ頃サイズばかりで、それを見つけた時はまさに宝に当たった様に嬉しい。二人で採取をしても、なかなか採りきれないほどの量である。キノコ狩りをしない人にとっては乱獲と思われるかもしれないけれど、キノコについては採れるだけ採った方が良い。写真の様なキノコでも数日で食べ頃を過ぎてしまう。魚の様に残しておけば来年も・・・という論理はキノコについては通用しない。保存も出来る食材なので、その点は思うがまま採取すればいいのだ。
もっとも、野生のキノコにつきもののリスクは極力減らす知識は必要であろう。食べられるキノコのみを採取するのは当然ながら、帰宅してから怪しいキノコが混じっていないか確認することも場合によっては必要だと思う。
道東とは異なり、道南の山林は(北海道の中では)温暖故に広葉樹が非常に多い。ブナやカエデ、ナラなどの巨木がそそり立ち、明るい雰囲気を持つ。もっとも、羆の生息も多く、道内で一番事故が多いのも道南なのだ。入山には注意が必要である。
ブナハリタケはこの時期に山へ入り、全く見かけないということはないほど目立つキノコである。倒木や立ち木に密生している白いキノコがそれで、名前の通り、裏面が針状となっている。食用キノコだが、独特の香りを持つので好き嫌いが分かれるかもしれない。
毒キノコの誤食で一番多いのがツキヨタケと言われている。似たようなキノコにムキタケやヒラタケ、あるいはシイタケと間違える事もあるらしい。このツキヨタケの判別方法は、柄の部分を割った時に根元に黒っぽいシミがあるのがツキヨタケである。ただ、ムキタケやヒラタケとは色もかなり赤っぽい個体が多い事と、短いながらも根元に明確な柄がある事も特徴とされている。もっとも、小型のそれは色も柄も不明瞭な事もあるらしく、根元を割ってみるのが一番なのかもしれない。
道南の渓流に遡上アメマスを狙いに二本の河川を回ってみたのだが、魚影は皆無。イワナなら何とかなるだろうと、三本目の河川へかなり苦労をして入渓してみたものの、魚影が極端に薄い。移動したのか抜かれたのか理由はわからないけれど、やはり秋口のイワナ釣りは過去にもイマイチであることが多かった。何とか2匹、中型のイワナが顔を出してくれたけど、往年の魚影の濃さは薄れてしまっている様に感じた。それでも夏場はそれなりに釣れたと聞いているので、来年以降に期待だろう。禁漁期のない北海道だけど、やはり渓流の季節は初夏から盛夏であろう。