道東でアメマスの釣果も聞かれるなか、釣りとは関係なしで日高を訪れた。ドライブと温泉、そして海産物を食べる旅という事になったのだが、実際の距離よりも日高路は長くて遠く感じるのは、国道沿いに集落が点在していて、尚且つ、海岸線を走るため、直線が少ない地理的なこともある。山側を抜けるルートも勿論承知しているのだが、時間を気にして旅をしているわけではないので、海を観ながらゆっくりと海岸線を南下してみた。
完全な快晴とは言いがたいものの、それでも夕刻、海と空を赤く染める夕日は美しい。日中の景色は決して良いとは言えない場所であったけど、それを包み込む包容力を夕日は持っている。
昔、北海道のウニと言えば、初夏から盛夏がシーズンだと思っていた。ところが会社の同僚が日高で春に水揚げされるウニも絶品だとの話を聞き、チャンスがあれば食してみようと思っていた。ようやく、そのチャンスが巡ってきたわけだが、噂通り、その味は素晴らしいものであった。食べたのは、えりも町の鮨屋であるけれど、この時期にこの街道沿いには「生ウニ」丼ののぼりが上がっているし、それは新ひだか界隈でも同様である。但し、この時期の日高は桜が開化すると、それを求めて多くの人が訪れるので、それをかわすのは少々の努力が必要になると思う。
日高の宿で食べた夕食は、新鮮な海鮮が並ぶボリュームのあるものであった。ただ、最近の僕は量はあまり魅力を感じない。半分の量でいいので、更に質を上げて欲しいと思うのだ。もっとも、写真の料理は決して不味いものではない。美味しい部類の料理であろう。
歴舟川は南十勝を流れる清流である。日高から天馬街道を越え、大樹町市内では川幅を埋め尽くすように鯉のぼりが泳ぐ。ようやく、春が来たことを知らせる風物詩であるのだが、対岸には残雪が残り、今年の春が遅いことがわかる。
十勝では、豚丼なるご当地メニューがあり、今ではガイド本やネットの情報で観光客も知る名物料理である。基本的には豚を炭火焼きするか、フライパンでタレをからめて焼くなど、店によって色々なパターンがある。家庭料理にもなっているから、それこそ豚肉が乗っていれば、とにかく豚丼ということになる。
帯広市内では専門店や普通の食堂でもメニューに載っているから、非常にポピュラーな料理であるのだが、シンプルであるが故に、意外に奥が深く、個人的には美味しいと思う店がなかなかない。老舗と言われている店であっても、美味しいと感じないのだから好みもあるのかもしれない。
ロース肉を使うのが一般的だけど、最近はバラ肉を使う店も多い様だ。ただ、個人的にはバラ肉は勘弁だね。あまりに脂身がないそれも味気ないかもしれないけれど、やはりこの料理は豚肉の肉そのものを味わう料理だと思う。だから、上等な豚である事が大切で炭火で余計な脂を落とした方が美味しい筈なのだが、若い世代は脂を好むのかもしれない。結局、これも好みなのだろうね。