昨年に続き、秋に大雨が降った十勝川の水位は下がりつつあるものの未だ高く、それに伴う濁りも強い。冷静に考えれば、釣り場を変更すべき状況であるのだが、十勝川が好きな僕はそんな十勝川を訪れてみた。
予想通り、水位が高く、ウェーディング出来る場所は限られている。岸から釣りになる場所もあるのだが、今年の十勝川は例年よりも河川工事のダンプ往来が多く、立ち入れない場所もそれなりにあった。
そんなコンディションで重量級のスプーンやミノーを駆使して攻めてみたけど、一度だけターンでドカ!というアタリがあったのみ。水位が高い為、30gのスプーンまで多用したのだが、同じレーンを何度流しても二度とアタリはなかった。数百メートルの間をかなり細かく攻めてみたけど、反応はない。
釣りになるかどうかと言われれば、何とか釣りは出来るというレベルではあるものの、やはり水位が更に下がった頃から本格的な開幕となるようだ。この時点で今回の十勝川には見切りを付け、翌日は遅い時間から南十勝を訪れてみたけど、水量が多く、下手すると徒渉するのも困難な流れをみて万事休す。もっとも、十勝川を諦めた時点で釣りはどうでもよくなっていたのかもしれない。
十勝平野は広く、一言で十勝が好きと言っても色々な場所があり、なかなか紹介出来るものではない。でも、個人的には川西から大正にかけての景色が好きだ。十勝らしい広大な畑が広がっている奥に、日高山脈が南へ延びているからだ。
日高山脈の最高峰は、幌尻岳で2053mだそうだ。こうした数字の上では、低い山脈である。ただ、人の手が入っていない場所が多く、自然が濃いという意味では日本有数の山脈であると思う。地形も急峻で北端の日勝峠や狩勝峠を除くと、南十勝の野塚峠(ここも僕が赴任した当時は、未開通であった)しか横断する道はない。北海道の南を東西に分断している山脈でもあり、野塚峠の山頂を横断する野塚トンネルを抜けると、十勝と日高で植生が異なるし、雰囲気も異なるのだ。
峠を境に、植生や気候が異なる十勝と日高だけど、日高の方は海岸線近くで今が紅葉のピークもしくは、やや過ぎたというタイミングであった。札幌や十勝でも今年は今一つと言われている赤の色が鮮やかなモミジもあったりと、帰路のドライブも楽しいものとなった。