茶路川や音別川のアメマス枯渇と同様に、十勝川のアメマスもここ数年は魚影が薄くなったと感じている。もっとも、粘れば型を見ることはそう難しくはないし、運よく群れに当たれば連発もする。難しいのが、千代田堰堤から下流の約40km(河川長、直線距離はもう少し短い)という流域の広さと、水位や毎年の様に変わる地形を読む事だろうか。
釣り場の情報が広く知られることになった今現在は、広い十勝川と言っても休日は多くのアングラーが訪れる。道東道も開通し、やる気になれば日帰りでもアタック出来るのは大きい。釣り人の多くなった十勝川は、ポイントの移動も難しさを感じるほどだ。もっとも、そこは十勝川、河川敷を歩くことさえ躊躇しなければ、空いたポイントは無数にある。
この時期は日の出が6時半前後、日没は午後4時前後と明るい時間は10時間ほどである。特に昼食後は日が落ちるのが早く、午後2時を過ぎれば、気温が下がり、雰囲気は夕方そのものである。厳寒期になると、朝夕のマズメは一応狙いはするものの、やはり僅かでも気温の上がる日中の方が高活性だったりする。
初日は明け方から夕方まで、十勝川の流域で過ごしたけれど、予報に反して青空が広がったのは助かった。気温も上がり、一桁ながら後半まで上がると、その装備を考えると汗ばむほどである。但し、日中は強風が吹き荒れ、水面は海さながらの荒れ模様となった。風のあたる左岸は濁りが広がり、右岸側への移動を強いられたほどだ。そんな右岸の初めて入ったポイントでスプーンをひったくるように出たアメマスは、この時期としてはコンディションがよく、太った個体であった。
十勝川流域で十勝らしい雰囲気は、豊頃町周辺までである。それより下流側となると、河川敷には葦が群生し、さながら湿原の様相となってくる。そんな豊頃町の茂岩で十勝らしい夕暮れを迎えた。上の写真はその一コマ。但し、コントラストが大きく、この一枚はブラケット撮影した写真を現像でHDR処理している。
例年より暖かいと感じる今年の冬だが、さすがに日高の山々は既に冬の様相で、十勝特有の秋まき小麦の緑に違和感を感じるほどだ。もやがかっているのは、野焼きの煙である。しかし、それが霧のように平野に漂い、水墨画のような景色になっていた。