立春の味

豊盃 純米大吟醸 山田錦48% 生酒 紫ななこ塗

タイトルは大袈裟ではあるけれど、この時期に発売となる豊盃の二種と、そろそろ発売も終了となる飯寿司、そして厳寒期である今が旬である銀杏草を。

豊盃 純米大吟醸 おりがらみ生酒 緑ななこ塗り 豊盃米49

豊盃と名乗る日本酒で美味しくないと感じるものは皆無で、味の差は好みの問題である。基本的に甘めの酒ではあるけれど、酸味も強いのでバランスがよく、特に上の写真のような生酒はとてもフレッシュさのある豊かな香りと、酸味、苦み、甘みの混じったとてもバランスのとれた1本になっていると思う。

特にこの時期に限定出荷される「おりがらみ生酒」は、昨年初めて飲んで一番好きな豊盃だと感じた銘柄だ。今年の春、楽しみにしていた1本でもある。

ハタハタ飯寿司 寿都の山下水産謹製 基本的には冬場の食べ物だ

飯寿司も作り手によって味が大きく変わる食べ物で、僕の好みでは量販品という中では寿都の山下水産のそれが一番好みだし、美味しいと感じている。

勿論、過去には美味しいと思える飯寿司は何度か食べているけど、生産量も限られている事も多く、地元の人や予約しないと買えないという物も多い。

札幌近くでは石狩市厚田の飯寿司が有名だけど、作り手による味の差はかなり大きいので、好みの味を見つけられればと思う。ただ、札幌からは微妙な距離がある事と、行けば必ず買えるというわけでもない。

冷凍させればある程度の期間は楽しめるけど、解凍させてしまうと発酵が進むので大きな樽買いというわけにもいかないので、一般人は食べきれる量を買うというのが無難だ。

銀杏草のお味噌汁 厳寒期の味

銀杏草は厳寒期に水揚げのある海藻で、香りと食感が好ましい。ただ、この海藻は安くは買えない。勿論、一回の味噌汁に入れるようで何万円もするとは言わないけど、具材とすると高級な部類だろう。

ただ、厳寒期の海に入りながら手摘みしている海藻であるから、苦労を考えると高くて当然だと思う。ネマガリタケが高値で引き取られる事にも通じるロジックなのだ。

最近の銘柄二種

楯野川 清流 楯野川の入門編というかスタンダードな1本らしい
醸し人九平次 協田(きょうでん)

楯野川 清流についてはリーズナブルな価格(税抜1400円)も魅力だけど、純米大吟醸の魅力は十分にあると思う。ただ、この手の酒で言える共通の悩みが入手性があまり良くないということ。

入手性という意味では九平次も同様で、リーズナブルな価格帯のものは入荷すると無くなるのも早いようだ。写真の協田くらいになると一人で何本も買うというのは、ちょっと躊躇してしまう価格ではある。

楯野川は全て純米大吟醸、九平次も事実上は純米大吟醸しか発売していないのでリーズナブルと言っても、それなりに高価ではあるのだけど、コロナ禍の影響でまずプレミアム価格となる事はないのだけはありがたい。

逆に蔵元では日本酒がだぶつき、出荷の価格を抑えている銘柄も多い様だ。家飲みでも買えるような価格にしているという事だけど、コロナ禍が続くと日本酒の世界でもビジネスモデルが変わってくる可能性もあるわけで、個人的にはありがたいけれど、蔵元がこれからも存続するというのが前提なので、安く入手出来てありがたいと単純には喜べないのだ。

年の瀬グルメ

鱈汁 年々、こうした料理が有り難く感じるようになってきた。

相変わらずコロナウイルスの報道ばかりの世の中で、こうしたネタはどうしたものかと思うけど、春先から僕は完全に動かないという生活は一切していない。夏の場合は自転車で遠乗りをかけたりという事もあるけど、会社帰りに居酒屋さんへ立ち寄る事も同じペースだ。

一般人と異なるのは、飲み会は一切無いということと、ススキノへは夏以降は足を踏み入れていない。

会社帰りに一杯というのは勤め人に多い飲み方だし、僕も若い頃は毎日の様に同僚と飲み歩いていた事も多かったけど、今は同僚と飲むのは年に数回くらいだと思う。

元々、先輩と飲みに行く事が多かったのだけど、そうした先輩が引退して、反対に台頭してきたのが当たり前だけど若い世代。今時の若い者はなんてことは言うつもりはないけれど、飲み放題でチューハイが当たり前のような飲み方なので、僕のスタイルには合わないのだ。

お試し版 羽根屋 純米大吟醸 精米歩合10%という代物。これは1合瓶のお試し版。
旨いかどうかはともかく、四合瓶や一升瓶で売られていたら、絶対に買わない(買えない)お酒だろうね。

それはともかく、ソロの場合は一番有り難いのが、好きな酒を好きなペースで飲めるということ。そして肴も好きな物をチョイス出来るのがいいね。

それはともかく、正月用の酒を仕入れてきたものが下の純米大吟醸の数々。期待しているのは左端の豊盃で今年はどんな酒に仕上がっているか楽しみだ。真ん中と右端のそれは萬乗醸造の「醸し人九平次」銘柄の2本。

どちらも手の届くリーズナブルな価格(相対的な話で、絶対値としては両方ともに高級酒の部類だろう。まあ、家飲み用では上等じゃないのかな)で欠点と言えば、売られている酒屋が限られている事と、人気が高い酒なので入荷しても直ぐに売り切れてしまう事くらいだろうか。

好みの問題とはいえ、この酒蔵のお酒は本当に美味しいと感じる。純米大吟醸なので全く辛くはない酒だけど、最近は甘めのお酒の方が美味しいと感じるようになった気がする。

というよりも甘辛よりも、旨味や酸味を細かく味わえる様になったからなのかもしれないね。今でもモルトウイスキーなども好きだけど、食中酒としては癖のあるモルトはあまり向いているとは思えないからね。

自前で購入した日本酒三種。全て純米大吟醸。左端の豊盃レインボーラベルは例年今時期に発売される家飲み用の純米大吟醸生酒。年末にでも飲もうと思っている。
カガミダイ 森の業者さんが作った物だそうだ。どちらかと言えば北海道では流通することはない、珍魚の部類であろう。マトウダイの方が知名度は高いのかな?でも、この魚を食べたのは二度目だけど、美味しい魚だと思う。