秋のグルメ

蕎麦屋では一杯だけ日本酒を飲むことが多くなった。肴は板わさ。蒲鉾は大八 栗原蒲鉾店 謹製の板蒲鉾。

グルメと言っても、自慢するような食生活はないのだけど、例えば寿司屋の肴として頼んだ板わさ。貧相だと思われるかもしれないけど、こうしたツマミは素材がモノをいう。

小樽の蒲鉾で有名なのは”かま栄”だけど、栗原蒲鉾店の方が好きという人も多い。どちらが美味しい云々は判らないけれど、僕は栗原蒲鉾店の方が好きかな。惣菜として揚げ蒲鉾が主体だけど、板蒲鉾やなるとなどをはじめ、ソウハチカレイを使った角焼などは一級品の味がする。

ラクヨウ(ハナイグチ)の味噌汁

日持ちしない素材の為、ハナイグチが市場で売られているかどうかでシーズンの判断は出来るけど、先週がシーズン最終盤の様で今週末はラクヨウの販売は無かったか、極端に入荷量は減っているようだ。

気温も低くなってきたので、そろそろラクヨウから次のステージに進んだ感がある。

尾瀬の雪どけ 純米大吟醸 山田錦 旨味は強いが、甘い酒でもある。この辺りは好みが分かれると思うけど、コスパはとても良い。特に今年はコロナ禍の影響で値下げして出荷しているようだ。

純米大吟醸と言ってもピンキリなのは理解しているけど、尾瀬の雪どけ銘柄は現在では消費者にとってはコスパの良い銘柄だと思う。要するに安いという事なんだけど、この理由を販売店の店主に聞いたところ、コロナウイルスの影響で日本酒の消費が落ち込み、値引きして在庫をさばいているようだ。

岩内 清寿司の特上生ちらし 時々食べたくなる

写真とは別の話になるけど、いよいよ本格的なアキアジシーズンとなり、生筋子もスーパーの店頭に並ぶようになってきた。でも、大粒の上等なものは本当にとんでもない値段が付けられていたりする。

こうした価格で今年も不漁だと感じるけど、回帰数小→不漁→放流量も少ないというロジックが続くだろうから、ここ暫くがずっと不漁で今年は不思議に豊漁でしたなんて事になるわけがない。

サンマの様に資源はあるけど道東沖に漁場が形成されないという事であれば、何らかの理由で近くに漁場が形成されれば豊漁になるという事もあるだろうけど、資源量が低迷している魚種は厳しいだろう。

それはさておき、上の生ちらしで好ましいのは、無理にウニを入れてないという事だ。夏には生ウニちらしと出したりしている店だけど、ウニの仕入れがない時期は無理に入れないという事だろう。

まあ、そうは言ってもトビッコが入っていたりするので、地元オンリーではないのは明白だし、ウニの入っていない理由は単に商売上だけの話かもしれない。それでも、隠し包丁の入った鮑など、美味しい生ちらしであるとは思う。

生落花生

千葉産の生落花生

もともとは南方系の植物らしく、北海道ではあまり作られる事のない落花生を頂いた。加工されたピーナッツは好んで食べる事はないけれど、この生落花生を茹でた物は本当に美味しいと思う。

今ではお取り寄せという事も可能ではあるけど、鮮度の問題や品種の好みを考えると生産地以外で食べるというのは、なかなか難しいものがあるのかなと思う。

冷凍だが味は上々である

上の鮎については、冷凍していたものを出して頂いたもの。勿論、シーズン中で生を食べるのがベターではあるものの、鮮度の良い状態を冷凍した物は味の落ちは少なく、とても美味しく頂けた。

秋の味覚

生筋子をほぐした物

9月になると鮮魚店だけではなくスーパーマーケットにも生筋子が並ぶけど、このタイミングは卵が未成熟のものも多く、不漁の予想がされていても価格的にはまだ手が届くレベルではあると思う。

皮が柔らかく粒の大きな物が一級品ではあるけれど、30年前くらいは鮭が捕れすぎて、それこそ生筋子などは値崩れを起こした事もある。最安値では1kgパックで1980円なんて量と価格で売られていたものだ。

もっとも、この頃でも原価が安いにも関わらず、観光地のイクラ丼などが値下げしたという事はないようだ。

イクラはともかく、この頃は道内の多くの河川がサケマス増殖河川に指定されており、盛んに放流を行っていた時代だった。その後、豊漁過ぎて値崩れを起こしたことが理由なのか、増殖河川の指定が次々と解除された事や孵化場の重鎮が定年退職でいなくなったという事もあるらしく、放流量の低下と共に回帰数も減少しているのが昨今の鮭事情だ。

もっとも、単純に放流量を増やせば回帰数が増えるかというわけではないらしく、海水温やベイトの状況など複合的な理由がありそうだ。

道央でも鮭の遡上が始まっている様で、小樽で言えば南樽市場の隣を流れる勝納川の深みには結構な数の鮭が遡上していた。川とは違うけど寿司屋通り脇の小樽運河でも、鮭が入り込んでいる様で観光客が足をとめて見物していた。

生筋子に話は戻るけどシーズンが進むにつれて粒は大きいけれど、皮が固く、口の中でプチプチする食感の物が多くなる。この頃は寿司屋さんが年末年始用のイクラを作る時期にあたるけど、こうしたお店のイクラはそれなりの柔らかさに仕上がっている。

昔から、どうやって皮が柔いイクラになるのか疑問だったのだけど、どうも酵素を使って皮を柔らかくしているようで、ミオラという単語を何年か前に居酒屋さんで聞いたことがある。

業務用の食品添加物なので一般的には目にすることはない代物だけど、炊飯用の他に食肉用の製品もある。人工的に熟成を促すと効能が書かれているので、タンパク質を分解しているのかしら?

身体に害があるわけではないようだけど、いずれにしても小売りはしていないものなのでどうでも良いのだがね。