コロナ渦と造り酒屋

豊盃 亀の尾 にごり生酒 純米酒

以前にも書いたと思う「豊盃 亀の尾 にごり生酒 純米酒」は、本来であれば春先に出荷される限定酒だ。精米歩合は70%と数値的には普通の純米酒だけど、旨味が前面に出ている好みの酒である。

でも、この酒を仕入れたのは数日前のことだ。本来は限定品だけど、コロナ渦で居酒屋関係が休業となり、出荷が滞っているらしい。そうした影響で例年であればタイミング次第というこの手の酒が、苦労なく普通に買えるという状況ではあるのだけど、最終的に蔵元が立ちゆかなくなるのが将来的に困る事なので複雑な気分ではある。

何度か書いている広島の「海の干しがき」

当たり前だけど旨味の強い乾物は、最高の酒肴となる。カラスミなどは大昔から酒肴として有名なものだけど、こうした乾物も非常に酒に合う食材だと思う。

貝類は干すと旨味が増す食材の一つで、有名なのは中華料理に使うアワビであったり、日常的にはホタテの貝柱も同様だ。

牡蠣については個人的には生での香りと食感が好きで、焼いたり蒸したりはあまり好まないのだけど、この干した牡蠣は例外である。

今週の一本

田酒(青森) 純米吟醸 古城錦

まだ飲んでいないけど、酒屋でテーブルの上にちょこんと乗っていたので買い求めたもの。古城錦という酒米は飲んだことはないけど、田酒を作る西田酒造さんの事なので失敗したと感じる事はないと思う。

しかし、買ってきてから言うのもなんだけど、田酒自体がなかなか入手出来ない中でこの酒は限定品という事もあり、かなりのレア度を誇るらしい。それ故、次回入手出来る確率はかなり低い気がする(毎日酒屋へ通えば別だが・・・)。

開けるのが楽しみだ。

九平次のhuman

醸し人九平次のhuman。最近は同酒造の「黒田庄に生まれて」を買う求める事が多いのだけど、売り切れで手が出る九平次がこれしか置いていなかったという理由で普段より高いこれを買い求めた。

黒田庄などより5%ほど精米歩合が上がっている純米大吟醸だけど、この5%で味が全く違う。通常品でも十二分に美味しいけど、雑味が明らかに減って、旨味が凝縮されている。ただ、このクラスになると美味しいかどうかは好みの問題になるし、コスパを考えると「EAU DU DESIR」などの方が買いやすい。

また、流石にこのクラスになると酔っている状態では勿体なく、香りを楽しみ、一杯一杯少しずつ舌で旨味と酸味を確かめて味わっている。辛口好きの人にとっては真逆の味かもしれないけど、この酸味と旨味は個人的には好ましいものなのだ。

余市産

4200円(税別)というのが、このボトルの参考価格である

味が良かろうが何らかの賞を受賞しようが、僕は国産のウイスキーよりもスコッチを好む人間で、写真のボトルは数年前に偶々定価で売られていたので買い求めたもの。

ストレートでもロックでも、あるいはハイボールにしても美味しいウイスキーだとは思うけど、ボトルを買ったり、BARで飲むという場合は同じ価格であればスコッチを所望する。

この「余市」については、あまりにも暑かったのでハイボール用に収納場所から探し出した物。最近はグレンフィディックのハイボールが香りという意味で気に入っているけど、余市も最後に僅かに氷の上に滑らすようフロートを行うと、香りが立って上等のハイボールになる。

味は勿論重要だけど、モルトについては最重要なのは香りで、その意味では割って氷入りというハイボールは邪道だろう、でも、上等で配分を間違えなければ冷えていようが、きちんと香りが立つのが本物のウイスキーであるとは思う。

その意味では割るのだから安物で十分・・・とは、間違っても言えない。昔、野営した時に買ったサントリーのトリス。今では割った状態を缶詰にして売っているけど、上等なハイボールを味わっていると、とても美味しいとは思えない。

その意味では、この余市は味や香りは合格を与えられる。それでも、飲むならスコッチを好むけれどもね。

理由?

オリジナルだから・・・かな。