2013 十勝の太平洋岸

中型だが、端正な姿をしていた。

中型だが、端正な姿をしていた。

いつもであれば釧路周辺に釣り場を求めるけど、アメマスはえりも岬近くまで広く生息している。それ故、長い海岸線のどこでもポイントになり得る。河口や離岸流、地形的な変化があればポイントと説明されている釣りだけど、最終的には波や濁り、そして魚群が離れていれば釣りは成立しない。結局は、釣ってみなければ、判らないという釣りだと思っているので、おなじ場所に立ち止まっている事が少ない。おおよその場所を決め、海岸線をキャストしながら歩くスタイルである。それ故、人が多いポイントでは、不向きの釣り方かもしれない。

今回はいつものポイントを外し、十勝の海岸を歩いてみた。予報では波は1.5mと釣りにはなるレベルだけど、訪れてみると濁りが強く、苦戦を強いられることになった。それでも、釣り歩いた最後に群れに当たったようで、ある程度の連発を楽しむことが出来たのは良かったと思っている。

流れ込みは狙ってみるのだが、釣果には結びつきづらい。

流れ込みは狙ってみるのだが、釣果には結びつきづらい。

波そのものより、濁りが大敵だ。

波そのものより、濁りが大敵だ。

音別付近から十勝太のあたりは、海岸丘陵が発達しており、砂浜の背後は崖になっていることが多い。厚内付近で道路は海岸線を走るけど、それ以南は暫く海岸から遠ざかる。この付近もサーフが続いており、釣り人も少ないため釣り歩く楽しさはありそうだ。但し、アプローチに気を遣う場所かもしれない。付近は、北海道でも有数の地震が多い地域である。海岸線の崖も登れるような場所も少なく、津波でも押し寄せてきたら逃げ場がないからだ。

背びれに傷がついていた。鳥に襲われたのだろうか。

背びれに傷がついていた。鳥に襲われたのだろうか。

釣れるアメマスは体型もよく、皆パワフルだ。グリーンバックの個体も、かなり増えてきた様に思える。まだ、ムラはあるように思えるけど、そろそろ岸寄りが本格化してくると思う。ただ、午後からスポット的に立ち寄った釧路管内の有名ポイントでは、魚はいるものの、かなりスレているように思える。マズメ時や新しい群れが入れば、良い釣りも出来そうだけど、海とはいえ、あまり人の多いポイントは避けた方が無難なのかもしれない。

判りづらいが、右下はナメ滝となっている。

判りづらいが、右下はナメ滝となっている。

海岸丘陵からは川とは言えないものの、わき水が多い様で小さな流れ込みがいくつもある。アメマス狙いの場合は、この流れ込みがポイントになるという事は少ないけれど、これからの時期、カラフトマスを狙うという釣りであれば、こうした場所もポイントになり得る。大きな流れ込み、すなわち、川の河口は誰もが狙う場所だけど、穴場的なポイントで静かに釣りたいという場合は、こうした場所を見つけ、竿を出してみるのも楽しいかもしれない。

広尾まで続く、十勝の海岸線。のどかで寂しくもある。

広尾まで続く、十勝の海岸線。のどかで寂しくもある。

浦幌町の海岸線に昆布刈石(こぶかりいし)という地名がある。砂浜が続く海岸だけど、この付近だけ岩場があり、沖に岩礁が点在している場所だ。昆布刈石の展望台は、十勝太へ抜ける砂利道の山頂付近にあり、ここから十勝の海岸線を望むことが出来る。

十勝の海岸線は、漁港が点在しているけど、基本的には開発が進んでおらず、高所から眺めると、何処までも続く素朴な砂浜といった感がある。海岸であるのに、牧歌的な雰囲気があると同時に、何故か寂しさと感じる海岸線である。知床や積丹の様な奇岩があるわけでもなく、わざわざこんな海岸線を訪れる旅人は少ないだろうけど、僕はこんな海岸線が好きだ。

十勝も野鳥がとても多い。

十勝も野鳥がとても多い。